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有明海訴訟仮処分決定 8/26東京行動

 「よみがえれ!有明海訴訟」における、諫早湾干拓工事の差し止めを求めた仮処分申請について、佐賀地方裁判所は8月26日に決定することを内示しました。これまでの審理から、大型公共事業の差し止めという画期的な決定への期待が高まっています。
 「よみがえれ!有明海訴訟」の原告団・弁護団・支援する会では、この機に農水省に対して諫早湾干拓事業の中止を迫るため、決定日の8月26日に東京において以下のようなアピール行動や集会を実施します。当日は、有明海沿岸の漁業者を中心とした原告や現地の支援者も多数上京する予定です。
 諫早干潟緊急救済東京事務所でもこの活動を支援し、東京近郊の皆様に行動への参加を広く呼びかけます。諫早干潟や有明海の再生のために、多くの皆様にご参集いただきますよう、よろしくお願いいたします。


有明海訴訟・諫早湾干拓工事差し止め仮処分決定
8/26農水省前行動・報告集会


農水省前行動(東京・霞ヶ関)
 8月26日(木)
  10:00 仮処分決定、弁護団声明を受けての報告集会
  12:20 昼休み農水省前集会(〜12:50)
         原告団・弁護団代表、国会議員、文化人等の報告、挨拶
  13:00 農水省前座り込み(〜16:00)
 ※農水省の場所は下記アドレス参照(地下鉄霞ヶ関駅)
  http://www.maff.go.jp/www/maff/index.html

総決起集会―仮処分決定報告と現地漁民代表との交流―
 8月26日(木)18:30〜20:30 
 会場:弁護士会館2F大講堂クレオ(地下鉄霞ヶ関駅・日比谷公園霞門前)
  ※会場の場所は下記アドレス参照
  http://www.nichibenren.or.jp/jp/nichibenren/map.html

※お問い合わせ
 よみがえれ!有明海訴訟支援東京・首都圏の会 TEL 03-3352-3663
 (または下記の諫早干潟緊急救済東京事務所まで)

諫早干潟緊急救済東京事務所
〒171-0032 東京都豊島区雑司が谷3−11−4 パレドール目白205
TEL/FAX 03-3986-6490 E-mail isahaya@khc.biglobe.ne.jp


よみがえれ!有明海訴訟弁護団の声明

佐賀地裁の画期的仮処分決定に向け,いまこそ総決起を

2004年8月12日
よみがえれ!有明海訴訟弁護団

 有明海漁民106名の申請にかかる国営諫早湾土地改良事業(諫早湾干拓事業)差止の仮処分事件について,本日,裁判所から,8月26日に決定文を交付することを目処に準備をすすめているとの連絡があった。
 決定の内容について決して楽観は許されないものの,裁判所の反応は上々であり,我々が最後まで油断することなく運動を続けるならば,事業差止の歴史的勝利決定という我々の悲願が達成される可能性が現実のものとなっている。

 振り返ってみるならば,豊かな干潟が広がる諫早湾は,豊饒の海・有明海を支える要ともいえる自然環境であり,有明海漁業における漁業資源を涵養し,漁場環境を維持する上で欠くことのできない自然の恵みであった。この自然の恵みは,有明海漁業を基礎とする地域経済を支え,独特の地域文化をはぐくんできた。干潟や浅海域などの湿地環境を保全しようとする地球環境保全の国際的な潮流の中にあっては,我が国を代表する重要な自然環境として内外の注目を集めてきた。これを保全することは,有明海漁業と地域経済・地域文化を守る上で不可欠であり,地球環境保全の取組におけるわが国の国際的責務でもある。

 本件干拓事業は,こうした重要な自然環境を破壊しながら進められた。しかも,その事業たるや,計画自体,なんらの必要性・合理性が見いだせないばかりか,費用対効果すら,いまや事業者の国自身が投資した費用を上回る効果を生み出さないと自認せざるをえない状況にあり,我が国における無駄な公共事業の典型ともいえるものである。

 本件干拓事業は,着工早々から諫早湾内における漁業に深刻な打撃を与えてきた。とりわけ1997年4月の潮受堤防締切後は,有明海の豊饒さを支えてきた海洋構造への深刻な悪影響が顕在化し,かつてなかった赤潮の頻発・大規模化など,有明海異変と呼ばれる有明海の広範囲に及ぶ環境悪化が顕著となった。そのため漁場環境は一変した。有明海の魚介類は激減し,海苔養殖業は毎年のように不作に見舞われている。廃業する漁民は加速度的に増加しており,有明海漁業そのものが存亡の危機に立たされている。漁民の中からは自殺者が次々に現れ,借金苦から母親と心中を図った痛ましい承諾殺人事件の悲劇までも生んでいる。いまや,本件干拓事業がもたらした漁業被害は,極限にまで達しようとしている。

 本件干拓事業の勝利的解決は,地域のみの課題ではなく,全国的な課題でもある。
 世論を無視し,全国各地で,環境破壊の無駄な公共事業を推し進めて暴走する行政のあり方を変えるためには,その典型であり,当面の焦点である本件干拓事業の勝利的転換が不可欠である。

 これまで本件干拓事業と有明海異変・漁業被害の関係をかたくなに否定し続けてきた国の言い逃れは,いよいよ,仮処分決定によって明確に否定されようとしている。
 本件干拓事業によって,生業ばかりか命さえも奪われている有明海漁民の現状は,もはや一刻の猶予も許さない。
 仮処分とはいえ,決定によって事業は現実に止まる。
 勝利決定の成果を活かして更に精力的に運動を推し進めるならば,事業を再開させず,中止に追い込み,有明海の真の再生を実現する大きな展望が切りひらかれる。仮処分の勝利決定は,同時に,我が国における環境破壊の無駄な公共事業の時代に終止符を打つという歴史的課題に向けての重要な転換点となるものである。
 その画期的な意義をしっかりと受け止め,いまこそ,総決起しようではないか。


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