諫早湾で赤潮被害
長崎県は工事との関係を否定

 工事が難航する締め切り堤防外側で赤潮が発生し、魚から貝までが大量死していることが7月21日わかった。有明海で赤潮被害が天然魚に及ぶケースは極めて珍しいという。

 今回異常発生したのは、シャットネラと呼ばれる毒性のあるプランクトンだそうだ。1mlあたり100個以上に増えると被害がでるというが、16日湾中央で約3,300個(限度値の33倍)、20日小長井町沖で約52,000個(限度値の520倍)確認された(長崎県県南水産業普及指導センター)。これについて小長井漁協新宮組合長は「これ程の規模の成魚の被害は初めて。諫早湾の締め切りで潮流が変わったとの意見もあるが詳細はわからない」という。長崎県魚政課は「有明海の他の海域でも赤潮は発生しており、干拓と関係はないだろう」としている。(7/22日経新聞参照)

 救済本部メンバーが現地に調査にでた際、漁民と話したところによると、役人に文句を言っても「すでに影響補償している」と片付けられるという。漁民は、仮に10割とれたものが工事で8割に減った場合、その2割を補償してもらうとの認識だったそうだ。しかしそこを曖昧にしていたため、魚が全滅したとしても、その分も影響補償しているとおしきられるようだ。また「締切後は態度がガラリとかわった。すべて(影響を)わかった上で交渉を進めたのだと思う。」とも話している。

 今回は小長井付近だけだが、諫早湾では6月17日前後に、他に例を見ないこれよりも大規模な赤潮が発生している(小長井から北は鹿島、南は瑞穂にかけて・毒性はなかったようだ)。山下代表は、工事の影響ではないかとの疑念を払拭するためにも、大規模な調査をして環境アセスをやり直すべきという。

イサハヤ干潟通信第11号から転載*


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